和梨
「中酸(なす)」が転じて梨の語源となったとも
日本の梨には「赤梨」と「青梨」があります。
「赤梨」は『豊水』や『幸水』など果皮が茶色いもの、「青梨」は『二十世紀』のような果皮が緑色の梨です。
どちらもシャリシャリした食感が和梨の特徴ですが、これは石細胞と呼ばれ、ぺントザンやリグニンという物質が果肉に蓄積することで細胞壁が厚くなり、石のように硬くなったものです。胃では消化されず、腸を刺激するため便通を良くする食物繊維に似た効果があります。これは洋梨にも含まれますが、その量は少ないため、食感は、和梨と洋梨との大きな違いです。
また、和梨は洋梨と違い追熟させて食べる果物ではないので、食べ頃になった物が収穫され、収穫後はすぐに出荷されます。
梨は漢方や薬膳で解熱効果のある食材とされています。
梨に含まれるアミノ酸の一種の「アスパラギン酸」は利尿作用に有効です。
また、糖アルコールの一種であるソルビトールという成分にも咳止めや解熱効果があると言われています。
ポリフェノールの一種のタンニンにはアルコール排出を促す作用もありますので、水分含有量の多さやカリウムと合わせて梨は二日酔いの解消にも役立つと考えられます。
和梨の糖度は12%から14%程度、酸度は0.06%から0.40%程度です。
和梨の酸度(目安値)
和梨 | 0.06%~0.10% | その他の和梨 | 0.10~0.40% |