糖酸度計FAQ

Q糖酸度計はどのような時に使えばよいですか?

A Brixと酸度、どちらも測定したい方におすすめです。
 酸度の測定をしたいフルーツやその他サンプルの対応器種が見当たらない場合、お気軽にお問い合わせください。

Q酸度の単位は?

A 日本と海外によって異なるケースがあります。
 日本ではg/100mLが一般的です。これを%として表すことが多いです。

Qサンプルの準備方法や注意点など教えてください。

A サンプルによって前処理や注意点は異なります。次をご参考ください。
 アタゴの糖酸度計で酸度を測定する場合は、サンプルを希釈する必要があります。
 ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。

サンプルの準備方法
▼トマトやぶどう ▼りんごやキウイ ▼みかんや柑橘類 ▼パイナップル
皮ごと潰して、
こして準備します。
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皮ごとすりおろして、
こして準備します。
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半分に切り、果汁を絞り、
こして準備します。
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皮をむいて実のみ潰して、
こして準備します。
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▼トマト缶 ▼ヨーグルト ▼ジャムやピューレなど  
果肉だけ潰して、
こして準備します。
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※塩などの添加物がないものに限る
ホエイとヨーグルトの部分
を混ぜて準備します。
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こして準備します。
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※塩など電気伝導度に影響を与える
物質の添加がないものに限る

酸度とは?

imgレモン汁やお酢、梅干しを食べてみたときのことを思い出してみてください。
これらの液体や食べ物には「すっぱい」という共通点があります。
酸味が含まれているのです。
普段、食べ物を食べるとき、その酸味について考えることはあまりないかもしれませんが、 酸味は味覚の中でとても大きな役割を持っています。
「いい塩梅(あんばい)」という言葉があります。
梅干しの基本となる塩味と酸味に由来する言葉です。
昔から塩味と酸味の調和がおいしさの大切な要素とされてきたことがうかがえます。
酸味(すなわち酸度)は、他の味覚(甘味、塩味、苦味、うま味)とうまく調和することで「おいしい」を作り出しているのです。

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酸度と味覚

●果物の糖度と酸度

果物の売り出し方として、「甘い」「糖度が高い」などは、よく使われるフレーズですが、「すっぱい」「酸度が高い」といった売り文句は聞きません。しかし、果物を食べて「おいしい」と感じるとき、糖に加え酸も非常に大きな要素となっていることをご存知でしょうか。
imgもちろん酸の含有率が高く、すっぱすぎるフルーツは好まれませんが、ただ甘いだけのフルーツより、適度な酸を含んだ、甘さとすっぱさのバランスがとれたものが本当においしいと 感じるフルーツなのです。

レモンといちごは糖度がほぼ同じと言われています。極端な例ですが、レモンは非常に酸度が高いため、いちごと同じくらいの糖度でも、いちごのような甘さは感じられません。
酸度が高いと、甘さを感じにくくなります。ですが、酸度が低すぎると、全体がぼんやりとした、しまりのない味になり、おいしいと感じられなくなります。
みかんなどの柑橘類は、収穫後、糖度と酸度のバランスを見ながら出荷時期を決めます。収穫後、貯蔵庫に置いておくことで糖度が上昇し、酸度が低下、人がみかんをおいしいと感じるくらいの値になると出荷します(おいしいと言われるみかんの糖酸比(糖と酸のバランス):糖度11.0-14.0%あたり、酸度は0.5-1.0%ほど)。

酸度とpH はどうちがう?

酸度とは、溶液中に酸がどのくらいの比率で含まれているかを表す、酸味(すっぱさ)を示す指標になります。(酸度の測定方法はこちら
日本では、酸度の値は、酸の成分が溶液100mL中、何g含まれているか(%)を示すのが一般的ですが、海外では1000mL(1L)の中に何g含まれているかを表したりと様々です。
酸度とは別に、酸性の度合いを表すものでpHがあり、ピーエイチ、またはペーハーと読みます。学校でリトマス試験紙を使い、pHを測る実験をした方も多いのではないでしょうか。溶液が酸性かアルカリ性(塩基性)か、または中性か、その度合いを見るのがpHです。
実は、pHと酸度は関係がありますが、考え方が異なります。
pHは溶液中の水素イオン(H+)濃度です。
塩酸のような強酸の場合、pHからおおよその酸度を予測することはできますが、有機酸など弱酸の場合、pHから酸度を予測することは困難です。
たとえば、糖度は同じで酸度が異なるオレンジAとオレンジBがあり、片方はとてもすっぱく感じたとします。
しかし、オレンジAとオレンジBの酸度や味覚が大きく違っても、pHの値はそこまで大きく違うことはありません。

pHスケール

pHスケールは、0が酸性、7が中性、14がアルカリ性(塩基性)です。
下のイメージは主な食品や身近なもののpH値です。


有機酸と無機酸

有機酸
酸の性質を持つ有機化合物。無機酸と 共に酸味物質である。
食品に含まれる 酸味物質には有機酸のクエン酸、リンゴ 酸、酒石酸、コハク酸、アスコルビン酸、 乳酸、酢酸、シュウ酸などがある。香りの成分の一つでもあるため、酸度が高い果物などはより香りが高くなる。

●酢酸 Acetic acid

無色透明で独特の刺激臭、酸味をもつ有機酸。酢・ビネガーの主要成分。アルコールが酢酸菌により酸化して生じる。

●アスコルビン酸 Ascorbic acid

光学活性化合物。L体がビタミンCとして一般的に知られている。

●乳酸 Lactic acid

乳を放置した時に乳糖が発酵しできる有機酸。酸味のある無色の粘性液体。染色工業での還元剤、食品工業で酸味料として使われる。

●リンゴ酸 Malic acid

果物の中に含まれる有機酸。りんごや梅に多く含まれ酸味料として使用される。あっさりとした酸味が特徴。

●酒石酸 Tartaric acid

ぶどうに多く含まれ、強い酸味をもつ。酒石酸は水に溶けやすくアルコールにも溶ける。酸味料としては単独ではなく他の有機酸と併用されることが多い。刺激のある酸味が特徴。

●クエン酸 Citric acid

果物に多い有機酸。特に柑橘系の果物に多い。酸味料としても使用される。クエン酸はレモンや梅干しの酸味の主要成分。やや渋みがある。

●コハク酸 Succinic acid

乳酸ととも清酒中に最も多く含まれている有機酸。旨みのある特有の酸味を持ち、清酒の味を構成する重要な成分。

●シュウ酸 Oxalic acid

最も単純なジカルボン酸。植物に多く含まれる。還元性があるため滴定によく用いられる。染料の原料や漂白剤にも使われる。


無機酸

有機酸の対義語。塩素・硫黄・窒素・リンなどの炭素以外の非金属を含む酸の総称。

総酸○○換算って??

果物などには、様々な有機酸が混在しています。酢・ビネガーも酢酸が多いと言われていますが、実は他にも様々な有機酸が含まれています。

みかんはクエン酸を多く含みますが、ぶどうは酒石酸とリンゴ酸、トマトはクエン酸とリンゴ酸など、含まれている有機酸やその割合は様々です。

有機酸によって、測定する際にわずかな差がありますが、別々に測定はせず、総酸○○換算として測定します。たとえば、ぶどうだと酒石酸とリンゴ酸が混在していますが、リンゴ酸も酒石酸として測定するのが総酸酒石酸換算です。トマトはクエン酸とリンゴ酸を多く含みますが、総酸クエン酸換算で測定するので、全てクエン酸に換算して酸度を表示します。

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