日本工業規格JIS Z 8803では、粘度計は毛細管粘度計、落球式粘度計、回転式粘度計、振動式粘度計に分類されています。また、その他にも粘度カップや LST と呼ばれる粘度測方法が存在します。
一般的によく用いられる粘度計です。構造が簡単で操作性に優れ、測定範囲が広く高精度に測定できます。試料中に円筒形の回転子を入れ、一定の速度で回転させた時の円筒面に作用するトルク(ずり応力)を測定することで粘度を求めます。回転子の種類によって、共軸二重円筒型、単一円筒型、コーンプレート型等があます。コーンプレート型は、回転数を変えることで、非ニュートン流体の流動特性を求めることができます。
細管に試料を通し、流れる時間を測定して動粘度を求めるものです。粘度は、試料の密度から算出(動粘度=粘度/密度)できます。ニュートン流体用で比較的高い精度で測定できます。価格も安価で、古くから使われていますが、管内は細く洗浄が煩雑であり作業者への負担があります。 ►用途:石油製品や製薬
試料中にボールを落とし、その落下時間を測定して粘度を求めるものです。試料中のボールは、流体抵抗を受けるため落下速度は試料の粘度に応じて異なります。水のような低粘度のものから高粘度のオイルまでニュートン流体の粘度を高精度で測定できます。
試料中に振動片を浸け、一定の振動数で振動させた時に受ける粘性抵抗を測定して粘度を求めるものです。応答が速く連続測定が可能であり、液体が流れている状態で測定ができるためプロセス計として使われています。
金属製カップの中に試料を満たし、カップ底のオリフィス(細孔)から試料を流し、その流出時間を測定して粘度を求めるものです。オリフィスからの試料の流出時間は、通常ストップウォッチで測定します。 ►用途:塗料や工業油(食品業界で使われることは稀です)