旋光度は温度によってもわずかに変化します。多くの物質は20.0℃における旋光度を表記します。
正確な旋光度を測定するには恒温で測定する必要があります。
恒温の方法として、①観測管の外側に恒温水を循環させる、②観測管を設置する部分を恒温に保つ、があります。
一般的には①のほうが、観測管内の液全体が早く恒温度に達して安定します。アタゴでは①に対応した観測管を用意しています。
なお、旋光度の測定値(換算した比旋光度の数値)に厳しい精度を必要としなければ、旋光計を設置している室内の温度を約20℃に保つことで対応できます。
参考に、ショ糖の比旋光度において、1℃あたり0.0313°の変化です。日本薬局方において、ショ糖(白糖)の比旋光度の規格は65.0~67.0°です。したがって、アタゴの製品を使用することで測定温度が20℃から少し外れても、管理上大きな問題にはなりません。
精製糖分野で測定される国際糖度、純糖率においては20.0℃における数値を表記します。
そこで、観測管の外側に20℃の恒温水を循環させて測定することが広く行われています。アタゴでも対応した観測管を用意しています。
一方、国際糖度、純糖率の場合は、測定サンプルがショ糖に限定されていますので、温度に対する国際糖度の数値変化に基づいて補正することが可能です。つまり、20.0℃以外の温度で測定しても、20.0℃における国際糖度を表示することができます。
アタゴのAP-300、SAC-i、SAC-i 589/882においては、ISS(温度補正なしの国際糖度)とISS(TC)(温度補正付きの国際糖度)の2目盛が搭載されています。また純糖率は温度補正されています。さらにRePo-1の国際糖度、純糖率の目盛も温度補正されています。ICUMSA(国際砂糖分析統一委員会)の規格にはショ糖の国際糖度18~30℃の温度補正が記載されています。
温度補正を活用すれば、恒温水循環の手間は省けます。