旋光度測定法は、試料の旋光度を旋光計によって測定する方法である。一般に光線の振動は、進行の方向に垂直に起こるが、通常の光線では、その振動方向は限定されない。しかし、一般に偏光といわれる平面偏光では、振動は進行方向を含む一平面内にのみ起こり、このような光源では、偏光面を有するという。薬品またはその溶液には、偏光面を右又は左に回転させる性質をもつものがある。この性質を光学活性又は旋光性といい、物質の化学構造に関係がある。旋光度は、光学活性物質またはその溶液が偏光面を回転する角度で、旋光計によって測定する。この値は観測管の層長に比例し、溶液の濃度、温度及び波長に関係する。旋光の性質は、偏光の進行方向に向き合って、偏光面を右に回転するものを右旋性、左に回転するものを左旋性とし、偏光面を回転する角度を示す数字の前に、それぞれ、記号は+又は-をつけて示す。例えば+20°は右に20°、-20°は左に20°回転することを意味する。旋光度αxtとは、特定の単色光x(波長又は名称で記載する)を用い、温度t℃で測定したときの旋光度を意味し、その測定は、通例、温度は20℃、層長は100mm、光線はナトリウムスペクトルのD線で行なう。比旋光度[α]xtは、次の式で表す。
医薬品各条で、例えば[α]D20:-33.0~-36.0°(乾燥後、1g、水、20mL、100mm)とは、本品を乾燥減量の項に規定する条件で乾燥し、その約1gを精密に量り、水に溶かし正確に20mlとし、この液に着き、層長100mmで測定するとき、[α]D20が-33.0~-36.0°であることを示す。
屈折率の測定には、通例、アッベ屈折計を用い、医薬品各条に規定する温度の±0.2℃の範囲内で行なう。アッベ屈折計では、白色光を用いてnDを直接読むことができ、測定のできるnDの範囲は1.3~1.7、精密度は0.0002である。
※ 一般試験法 2.物理的試験法(その他の物理的試験法)より抜粋
旋光度測定法〈2.49〉には、「光線はナトリウムスペクトルのD線で行う」と記されています。以前の旋光計は光源がナトリウムランプでしたが、現在はハロゲンランプやLEDを光源として干渉フィルターでD線光を取り出す方式が増えています。通例と書かれていますので、ナトリウムランプを光源として用いてなくても同じD線であれば問題ないと、弊社は解釈しています。
※日本薬局方において旋光度を測定するよう指定されている薬品は表に記載されているもの以外にも数種類あります。