土壌のpH計には、土に突き刺すタイプの酸度計と、水と土を混ぜた上澄み液をpH計で計測する方法があります。土壌養分分析法委員会編「土壌養分分析法」では、pH測定の原理を 「土壌に水を加えて振とうさせた時に、遊離してくる水素イオンの活量をガラス電極pHメーター で計測する。」と示しています。
日本の土壌は自然のままではpH4.5~5.6程度で、酸性寄りの傾向があります。
植物には適した土壌酸度(pH)があり、適した土壌で育てる必要があるのです。
pH4~6は酸性土、pH8~9をアルカリ土と呼び、野菜の多くは、pH6~6.5でよく育つと言われています.酸性土では、野菜の根が傷んで必要な栄養を十分に吸収できなくなります。 酸性土を中和する(pHを上げる)ためには、消石灰・苦土石灰・有機石灰(かき殻)を加えます。
一般的にアルカリ土は見られませんが、石灰などのアルカリ性資材を過剰に施用した場合やハ ウス栽培を続けた場合、アルカリ土になると言われています。
アルカリ土ではリン酸や鉄等の必須養分が不溶化し植物が利用できなり、栄養失調状態に陥っ た植物は風害・塩害をきっかけに衰退、枯死する恐れがあるのです。
pHと関連して言われるのが土壌中の塩類濃度を示すのに利用されるECという指標です。 ECと硝酸態窒素含量とは相関が高く、施肥の目安になります。
ECが高すぎると養分や水分の吸収が困難になり、生育を阻害する原因になると言われています。施肥の目安としては、ECが0.3mS/cm以下の場合は、肥料不足。0.8mS/cm以上の場合は、肥料過多とされます。野菜畑や普通畑では肥料施用前の土壌で0.1~0.3mS/cm程度、 牧草地では0.1mS/cm以下のことが多いようです。