果物は主に水分と糖質から成りますが、ほかにも有機酸や食物繊維、ビタミン、ミネラルなどが含まれます。最近では、スーパーなどで糖度表示をするところが増えてきました。糖度は美味しさの指標の一つと言えるでしょう。
しかし、果物を食べて「おいしい」と感じるとき、糖に加え酸も大きな要素となっていることをご存知でしょうか。
もちろん酸の含有率が高く、すっぱすぎるフルーツは好まれませんが、ただ甘いだけのフルーツより、適度な酸を含んだ、甘さとすっぱさのバランスがとれたものが本当においしいと 感じるフルーツなのです。
糖度と酸度のバランスは、最近では「糖酸比」として注目されています。
果物中の酸は、糖分と比べるとその量はとても少なく、例えば、みかんの糖度が11%前後とすると、酸度はたったの1%前後です。しかしながら、酸味が味覚に与える影響はとても高いと言われています。みかんを食べると、ただ甘ったるいもの、酸味が効いて美味しいもの、酸味が高すぎて食べづらいものがありますが、この差は糖度と酸度の絶妙なバランスが決めているのです。
レモンを例に挙げてみましょう。レモンの糖度は、高いものだと10%近くあると言われています。この糖度は、フルーツトマトより高く、イチゴに近い糖度です。しかし、レモンは、「酸っぱい」とは言われても、決して「甘い」とは言われません。この理由は、レモンの酸度の高さにあります。レモンの酸度は通常4.5%以上あり、ほかの果物の糖度と酸度のバランスに比べると酸度がとても高く、味覚上「酸っぱい」となるのです。
では、一体美味しい糖酸比とはどれくらいでしょうか。
果物の種類によって平均糖度が違うため、美味しいと言われる糖酸比は果物によって異なります。また、人の味覚はそれぞれ好みがありますので、絶対値というよりは、美味しい糖酸比を一定の幅で表すことが多いです。